ウルトラシリーズに登場した怪獣のなかではトップクラスの知名度を誇るであろうバルタン星人。「フォッフォッフォ・・」という不気味な笑い声がもれなくついてきます。
バルタン星人とは
人類の未来を暗示していた?
バルタン星人が登場したのは、初代ウルトラマンの早くも第2回話「侵略者を撃て」でした。
地球よりもはるか高度に発達した文明を持つバルタン星。それがバルタン星人に悲劇の運命をもたらすことになったとは・・・
団体旅行が暗転
身体を極小に縮小する技術を持っていたバルタン星人は、宇宙船にな~んと2,030,000,000(にじゅうおくさんぜんまん)体もの超・大団体で乗り込み、優雅に宇宙旅行を楽しんでおりました。
ところが、バルタン星に残っていた科学者が(なぜか)発狂。ありえない核実験を行って星を壊滅させてしまったのです。帰る星を失った旅行中のバルタン星人、いたしかたなく移住先を探す旅へと目的を変更したのです。不幸の始まりです。
地球を発見するも
長い放浪の旅に宇宙船も疲弊、修理が必要になったころ、偶然にも地球を発見します。
降り立ってみると「あ~ら、ここ住むのに良さそだわね~!」とお気に召してしまいます。
地球人との共存も考えたらしいのですが、いかんせん20億3千万のバルタン星人が38億人もの地球人と一緒に住めるわけはなく、他の星への移住をすすめるハヤタ隊員の説得もむなしく交渉は決裂。バルタン星人は地球侵略を決意したのでした。
ウルトラマンが出迎えた
ところがバルタン星人にとって運の悪いことに、地球には我らがヒーロー・ウルトラマンがついていた!パパパパーン!
「宇宙忍者」と異名をとる(誰がつけたのか?)ように、瞬間移動や分身の術でウルトラマンを翻弄しますが、お約束どおりウルトラマンの必殺技、スペシウム光線で倒されてしまいます。
ウルトラマンは容赦なく宇宙船も破壊。哀れバルタン星人20億3千万の命が失われたのでした(実は奇跡的に一部が生き残り、のちに復讐を企てることになるのですが)…
かくして地球は救われたが
ウルトラマンと地球にとって幸いだったのは、宇宙船に乗っていた20億3千万ものバルタン星人が一斉に攻めてこなかったことでしょうね。もしそんなことになっていれば、地球は今頃はセミとザリガニの楽園になっていたことでしょう。
…と、以上は初代バルタン星人のお話です。
造形が非常に良かったためか、のちのちウルトラマンシリーズにしばしば登場することになります。いつしかウルトラマンの宿命のライバル的な位置づけになっていったのですね。ただし、キャラクター設定はずいぶんと変わっていったようです。ご興味のある方はネットで調べてみてください!
管理人のつぶやき
管理人がウルトラマンシリーズをテレビで観ていたのはウルトラマン・エースぐらいまでだったでしょうか。歴代ウルトラマンに登場した怪獣のなかで記憶に残っているのは初代のやつが多いですね。帰ってきたウルトラマンからは「ツインテール」と「タッコング」ぐらいか。
「バルタン星人」は当然ながら、やはり一番強烈なイメージが残っているのはウルトラマンを葬った「ゼットン」。あんなに無敵だったウルトラマンの攻撃をまったく受けつけない底知れぬ不気味さ。見た目も顔がよくわからないところが怖かったですねぇ。まさかウルトラマンが敗れるなんて、実にショッキングなエピソードでした。
それに比べたらバルタン星人は愛嬌がありましたね。セミとザリガニのあいの子のような見てくれもそうですし、「フォッフォッフォ…」という鳴き声というか笑い声も。
あとは「ダダ星人」かな。あのデザインはもうアートの領域。まぁ芸術思想のダダイズム由来なんですからそれも当然か。