チープ・トリック – イケメン組とコミカル組のコンビネーションが絶妙なロックバンド

長髪でイケメンなふたり組とコミカルで憎めないオッサンふたり組による絶妙なコンビネーションが、ルックスだけでなくサウンドにもいかんなく発揮されたユニークなアメリカのロックバンドです。

チープ・トリック/Cheap Trickとは

日本で人気に火が付いた

チープ・トリックは1974年に結成されたアメリカのロックバンドです。

デビューアルバムは1977年リリースの『Cheap Trick』。

同年、矢継ぎ早に2枚目のアルバム『In Color(蒼ざめたハイウェイ)』をリリースしますがいずれも本国アメリカでは鳴かず飛ばずでした。

チープ・トリック「蒼ざめたハイウェイ」
2枚目のスタジオアルバム『In Color(蒼ざめたハイウェイ)』

ところが、日本では「ミュージックライフ」や「ロッキング・オン」など洋楽ファンに絶大な支持を受けていたメディアで好意的に紹介された影響もあり瞬く間に人気化します。

その勢いで1978年には日本武道館でのライブが実現。武道館でライブができるのは一流アーティストの証明のようなものですから、プロモーションサイドの力の入れようも相当なものだったのでしょう。

このライブを収録したアルバム『チープ・トリックat武道館』は目論見通り日本で大ヒット。当初は日本限定販売であったものの、アメリカでも輸入盤が売れたおかげで本国でも正式リリースされたといういわくつきです。ビルボードTOP10にランクインする大ヒット作となりました。

アルバムからシングルカットされた『I Want You To Want Me(甘い罠)』もビルボードで最高7位を獲得。この曲は2枚目のアルバムにも収録されていましたが、その時にはさっぱり注目されませんでした。

日本で人気に火がついて本国でも注目されるパターンはQueenと似ていますね。

組み合わせの妙

冒頭にも書いた通りメンバー構成が大変ユニークで、これも人気獲得に寄与したのだと思います。

メインボーカルは金髪ロンゲのロビン・ザンダー。ベースのトム・ピーターソンも同じく長髪イケメンで、この二人だけ見たら女性ウケ狙いのアイドルバンド?と思われかねませんが、ギョロ目にアポロキャップの奇妙なお兄ちゃん、ギターのリック・ニールセンと、くわえタバコのサラリーマン風オッサン、ドラムスのバン・E・カルロスというコミカル組がマッチアップすることでアイドル蔑視の洋楽ファンにも抵抗感なく受け入れられたのではないでしょうか。

蒼ざめたハイウェイのジャケット裏側
ジャケット裏面。実物では天地が逆さまです

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アーティストとしても一流

見た目の面白さだけなら一過性の流行で終わってしまいますが、実力も兼ね備えたバンドでした。

しばらくは大ヒットには恵まれなかったものの1~2年おきにコンスタントにアルバムを発表しつづけます。

そして1988年、10枚目のアルバム『Lap of Luxury』からシングルカットされた『The Flame(永遠の愛の炎)』はチープ・トリック初の全米1位を達成。同アルバムからは、エルビス・プレスリーの名曲『Don’t Be Cruel』もスマッシュヒットとなっています。

ロックの殿堂入りを果たす

2016年、アメリカのロックバンドとして最高の栄誉である「ロックの殿堂」入りを果たします。

しかし、歴史の長いバンドにはつきものゴタゴタと無縁ではありませんでした。ベースのトムが一時期バンドを離れていたり、2013年にはバン・E・カルロスがバンドを相手取った訴訟を起こすなど、「ロックバンドあるある」的な出来事もありました。

そんなこともありつつ、ロックの殿堂入りセレモニーにはバン・E・カルロスも出席、久方ぶりの共演もあったと言いますから古くからのファンはホッコリしたことでしょう。

管理人のつぶやき

管理人がチープ・トリックを聴いたのは中学生時代でした。当時、チープ・トリックではないですが、仲良し4人組を結成していた友だちがいて、そのひとりが強烈に「推して」いたのがチープ・トリックだったのです。

今でも耳に残っているのは上のビデオでも紹介した『Clock Strikes Ten』という曲。リックのジャカジャカいうギターとバン・Eのイカしたドラムワークが光る名曲です。

今だとコシャクなAIがなんでも色々とオススメしてきて若干ウンザリしますが、情報源の限られていた当時は友だちのオススメもとても貴重でしたね。

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