電化でくらしを快適に…家庭に様々な電化製品が入り込んでいき、それまでの面倒で手間のかかる家事から人びとを解放していきました。冷蔵庫や洗濯機に代表されるように「白い色」をした製品が圧倒的に多かったことから、これらの生活家電は「白物家電」と呼ばれるようになりました。今回は台所向けの白物家電を取り上げます。
電気炊飯器と保温ジャー
今日では想像もつきませんが、昔の炊飯は結構な大仕事。かまどに重たい鉄製の羽釜をかけ、薪をくべて火で加熱します。美味しく炊くには火加減の調節がとても重要なので釜から目が離せない一方、同時進行でおかずも用意しなければなりません。
「はじめちょろちょろ中パッパ。(中略)赤子泣いてもふた取るな」なんて炊飯ノウハウを凝縮した歌もありました。
そんな難行苦行からおばあちゃんやお母さんを解放したのが電気炊飯器。研いだお米と水を入れたらあとは炊飯器にお任せ。面倒だった火加減の調節はもう要りません。初期の製品では炊き上がったら手動でスイッチを切る必要がありましたが、のちに自動化されました。
ご飯が炊けたら木製のおひつに移すというのが一般的なお作法でしたが、保温機能を持ったジャーが取って代わるようになりました。これでいつでも温かいご飯を頂くことが出来るようになりました。もっとも、あまり長時間保温しておくとご飯が変色してクサくなってしまったのですが。
さらに時代が進むと炊飯器に保温機能を持たせた炊飯ジャーに進化。炊飯器からジャーにご飯を移す手間が省けました。今日では炊飯器といえばこのタイプを指しますね。
トースター
初期のトースターは片面ずつ焼くタイプが一般的でした。ひっくり返す必要があるのでちょっと面倒。焼け具合も自分で時間を測ったり時々フタを空けてチェックするなど気をつけないとコゲコゲのパンになってしまいました。このタイプはパン以外にもお餅などを焼くことが出来るというメリットがありました。
トースターの進化形はパンが焼けると自動的に飛び出すタイプ。好みの焼け具合を設定することが出来ます。ただ、食パンに特化しているので他のものを焼くことはできません。今日では汎用性のあるオーブントースターにとってかわられた感がありますね。
冷蔵庫
白黒テレビや洗濯機と合わせて「三種の神器」と呼ばれた電気冷蔵庫。はじめはサラリーマンの月給10か月分もする高価なものでしたが、1960年代の高度成長期には価格が下がるにつれて爆発的に普及が進みました。
はじめは写真のようにドアは一つで、内部に製氷室が設けられていました。冷凍室が独立した2ドアタイプが登場したのは1960年代の後半です。
管理人のつぶやき
我が家の場合、電気ではなくガス炊飯器が長らく稼働していました。いわく、電気炊飯器は火力が弱いので美味しく炊けないと。確かにガス炊飯器で炊いたご飯は香りが良くて美味しかったです。
今日では電気炊飯器も長足の進歩を遂げ、ラインアップもピンキリ。高級炊飯器だと10万円以上したりしますね。羽釜の形を模したもの、土鍋を使ったもの、加熱方式に工夫を凝らしたものなど様々あってどれが良いのか迷ってしまいますね。
すっかり中国製や韓国製に席捲されてしまった感のある家電業界ですが、炊飯器だけは中国でも日本製が人気なのだとか。毎日食べるご飯ですから、多少値が張ってもよい炊飯器を使いたいものです。