主人公・兜甲児が操縦し、マジンガーZに「パイルダー・オン!」することでロボットのコクピットともなる小型戦闘機です。合体シーンがなんともカッコよかったです。
ホバーパイルダー号とは

画期的作品 マジンガーZ
数ある昭和のヒーローものにあって、巨大なロボットが活躍するアニメの嚆矢は何といっても巨匠・永井豪の代表作でもある『マジンガーZ(ゼット)』でしょう。
1960年代に少年を虜にした『ウルトラマン(初代)』が特撮ヒーローものというジャンルを確立すると、70年代に等身大の変身ヒーローという新フォーマットを提示したのが『仮面ライダー(初代)』。そして巨大ロボットを人間が操縦する、という新機軸を開拓した画期的作品、それが『マジンガーZ』なのです。
巨大ロボットが登場する同時代の作品はマジンガーZ登場以前にも存在していました。月刊コミック誌『少年』で連載された横山光輝の『鉄人28号』です。実写版のテレビドラマは1960年開始。こちらは巨大ロボットをリモコンで少年が遠隔操作する、という設定でした。
ロボットの操縦法を変えた画期的マシン
マジンガーZにワクワクした少年たちの注目ポイントのひとつは、マジンガーZの空飛ぶ操縦席、「ホバーパイルダー」です。主人公の兜甲児が颯爽と乗り込み、左右のローターを回転させて空を飛びます。もちろんホバリングは得意です。

そして、このようにローターをたたんだこの状態からマジンガーZの頭部に着床する動作が「パイルダー・オン」。
巨大ロボットはそれまでリモコン操作だったのを、人間が乗り込んで操縦するようになった斬新さ。そして凝った乗り込みの儀式。この様式美は間違いなくマジンガーZがウケた理由のひとつでしょう。
タイトな操縦席
ずいぶんとタイトなコクピット。それもそのはず、バイク大好き青年の兜甲児のため、バイクと同じ感覚で操れるように設計されているのです。クルマベースではないのですね。

ちなみに重量は320kg、最高飛行速度は320km/h。マジンガーZと同じく、超合金Z製です。
戦闘力はイマイチだった
いちおう「戦闘機」として小型ミサイルを装備していますが、残念ながらあまり役に立たなかったようです。

テレビ版の第69話で修復不能なダメージを受け、「ジェットパイルダー号」に道を譲ることになりました。
管理人のつぶやき
ヒーローものに登場する乗り物。これは番組視聴を離れたあそびの場ではヒーローそのものより人気があったかもしれません。
何しろカッコいいでしょ、それに車輪やらミサイルやら色々な可動部があって動かす楽しみがあります。さらにホバーパイルダーのローターを畳む動作みたいに、変形する、というのも胸躍るイジり方でしたね。
なので、ヒーローもののプラモデルといえばこうした乗り物が大好きでした。もちろんホバーパイルダーのプラモも作りましたとも。
ただ、動かせるプラモというのは結構壊れやすいのです。特に可動部の軸の部分がモロいですね。なにしろ金属ではなくて細いプラスチックですから。ようやく完成した仮面ライダーのサイクロン号をコタツの上で走らせていたら、転落したとたんにタイヤの軸が折れてしまって大いに悲しかったのを覚えています。


