ジェームズ・テイラーは1948年生まれのミュージシャン。心の琴線に触れるアコースティックギターの響きと味わい深い歌声で1970年代よりアメリカを代表するシンガーソングライターのひとりとして活躍を続けています。
ジェームズ・テイラー/James Taylorとは
デビューアルバムはアップルレーベルから
ジェームズ・テイラーのデビューアルバムは、ビートルズが設立したアップルレコードから1968年にリリースされました。アップルレーベルからリリースされた初めてのイギリス人以外のアルバムです。
ボストンで生まれノースカロライナで育った多感な青年・ジェームズの音楽活動はニューヨークでスタートしました。しかしバンドでの活動はジェームズを満足させるものではなく、また本人がドラッグに手を出したこともあって挫折。
そんなジェームズに手を差し伸べてくれたのが、アップルレコードでプロデューサーだったピーター・アッシャーでした。
デビューアルバム『ジェームズ・テイラー』に収録された『キャロライナ・イン・マイ・マインド』にはポール・マッカートニーがベースで参加しています。
アメリカへ帰国しワーナーから再デビュー
デビューアルバムは音楽誌などから高い評価を得たものの商業的な成功には至りません。そうこうするうちにアップルの内紛やジェームズのバイク事故も重なって1作のみで契約は終了してしまいます。
失意のうちにアメリカへ帰国したジェームズはアップルを追い出されたピーター・アッシャーの尽力にによってワーナー・ブラザースと契約。
1970年リリースの移籍第一弾となるアルバム『スウィート・ベイビー・ジェームズ』は見事にヒットします。シングルカットされた『ファイアー・アンド・レイン』は全米3位となり、今日でもジェームズの代表作に挙げられます。ちなみにこの曲は友人の自殺を題材にしたもの。アルバム全体に通じる内省的な歌詞やつぶやくような歌声が、泥沼化していたベトナム戦争に嫌気のさしたアメリカ人の心に響いたと言われています。
今日なお衰えない活動
その後ワーナー・ブラザースからは6枚のスタジオアルバムをリリースします。音楽性は初期の内省的なトーンから軽妙でポップな側面も加わった幅広いものに進化し、より広いファン層を獲得していきます。
1977年にはコロンビア・レコードに移籍。同年リリースされた『JT』からシングルカットされた『君の微笑(Your Smiling Face)』も親しみやすいメロディーと優しさに溢れる歌詞が心地よい名曲です。
アルバムリリースの頻度は徐々にゆっくりとなっていきますが、1980年代、90年代そして2000年代に入ってからも創作意欲は衰えません。ライブも精力的に継続。
日本でも2010年、キャロル・キングとの夢の共演を披露しました。ちなみにキャロル・キングの作品をカバーした『君の友達(You’ve Got A Friend)』も大ヒットしています。
管理人のつぶやき
中学生の時に何気なくエアチェックしたカセットテープに入っていた一曲で、すごく気に入ったのに誰が歌っている何という曲なのかどうしてもわからなかったものがありました。
その後、ずっと忘れていましたが、2014年頃にたまたま入手したジェームズ・テイラーのベスト盤CDを聴いていたらその曲が流れてきたではありませんか。『君の微笑(Your Smiling Face)』。や〜懐かしい、君だったのか!お互い歳とったね〜、ずいぶん額広くなったな〜、なんて。まるで中学時代の友人とバッタリ再会したかのようでした。