カルビー製菓(現 カルビー)が1971年に発売した菓子『仮面ライダースナック』のオマケとして配布されたカード。仮面ライダーブームに乗ってスナック菓子はバカ売れしますが、カード目当てによる社会問題も引き起こしました。
仮面ライダーカードとは

アイデアはトレーディングカード
コレクターズアイテムの代表格ともいえるトレーディングカードの発祥は、19世紀後半のアメリカとされています。タバコのパッケージに厚紙のイラスト入りカードを挿入したところ、これを集める人が現れました。そこに目を付けたジェームズ・B・デュークという実業家が、コレクションを目的として様々なジャンルのカードを商品化。イラストの裏面に通し番号や解説を入れるなど、トレーディングカードの原型が誕生しました。
日本におけるトレーディングカードの嚆矢には諸説ありますが、「紅梅キャラメル」という菓子に付いていた野球カードが有力のようです。ただし管理人は見たことがなく、個人的には永谷園のお茶漬け海苔に入っていた「東海道五十三次カード」を推したいところです。
仮面ライダースナックにカードを付けることを提案したのは、評論家として著名な栗本慎一郎氏。カルビー第三代社長となる松尾雅彦氏は社長就任前、かっぱえびせんを北米で販売するために渡米し、アメリカにおけるスナックビジネスについてひろく知見を得ていますが、トレーディングカード大国での当時の見聞が、栗本氏の提案を受け入れる背景にあったのかもしれません。
解説付きなのがミソ
ヒーローやアイドルのブロマイドは、仮面ライダーカードの登場以前から玩具店や文具店、駄菓子屋などで販売されていました。一見すると仮面ライダーカードも同類のようですが、仮面ライダーカードには大きな違いがありました。それは裏面に解説があることでした。

怪人のフルネーム、出身地、特徴、さらには弱点までも。この解説のおかげで、コレクションには単なる写真集ではない、図鑑を造るという付加価値が加わったのでした。
ライダー博士を目指す少年にとって、これはもう集めないわけにはいききません。

ラッキーカードでアルバムがもらえる
大ヒットを生んだもう一つの仕掛けに、「カードアルバム」がありました。仮面ライダーカードのなかには「ラッキーカード」という当たりカードが混ざっていて、アルバムと交換してもらうことが出来ました。これがなかなか当たらないものですから、「次こそは!」とリピート需要を強力に後押ししたのです。


初期のころは文字通りアルバムと交換だったのでラッキーカードは手元に残せませんでしたが、のちにはカードを残したいという要望に応えて消印入りのカードが返却されるようになりました。
スナックが捨てられる事件
最近では、某ハンバーガーチェーンのキャンペーンに転売ヤーが群がり、オマケだけ取得して大量のハンバーガーが捨て去られるという腹立たしい事象が問題化しました。
仮面ライダーカードでも似たような事件が発生しています。スナックをまとめ買いし、カードだけ取ってスナックを捨ててしまう不届き者が現れたのです。
恐らく転売目的でななく、単にコレクション熱が高じただけだったと思われますが、どちらにしても言語道断。新聞に取り上げられたり学校やPTAで問題とされるなど社会問題になりました。
ちなみに、スナック自体は甘いコーティングがほどこされた小麦粉とでんぷんベースの焼き菓子。軽い食感でサクサクと食べられ、結構おいしかったと思います。ただ、かっぱえびせんと比べると飽きが来やすい味だったかもしれません。のちに復刻された際には塩味のポテトチップスになりました。

管理人のつぶやき
仮面ライダーカードは全部で546種類あるそうです。ライダースナックはひと袋20円でしたから、全種類集めるには1万円以上かかる計算です。同じカードを引くこともありますから、実際には少なく見積もっても2万円、1,000袋はスナックを食べないと集まらなかったでしょう。いくら食べやすいと言ってもちょっと無理ですね。
同じカードを引いてしまったら友だちと交換すれば良いと思うかもしれませんが、実際には絵柄の好みも人それぞれあったりして、そんなに自分に都合よくは交換できないものでした。
管理人の記憶では、カード蒐集は数十枚程度で挫折していたはずです。お小遣いには限りがありますし、飽きやすい子どものこと。いつしかほかのモノゴトへと消費の対象はシフトしていたでしょう。
そう考えると全カードをコンプリート出来たのは実は大人だったんじゃないかという気もしますが、どうでしょう?


