マツダ サバンナ(初代) – ロータリーの戦闘力でGT-Rの連勝を阻んだ名車

サバンナ RX-3としても知られるマツダのロータリーエンジン搭載車。国内レースで無敵を誇っていた日産・スカイラインGT-Rを打ち破る快挙によってロータリーエンジンの優秀さを世に知らしめました。

サバンナ(初代)とは

サバンナ RX-3
A12エンジンを搭載する後期型クーペ

マツダのロータリゼーション

幾多の試練を乗り越えて世界で初めてロータリーエンジンの量産化を実現したマツダ(当時は東洋工業)。そのロータリーエンジンを初めて搭載した市販車が未来的なデザインで知られるコスモ・スポーツでした。

マツダは優れた素性を持つロータリーエンジンを普及させるため、大衆車のファミリアから高級車のルーチェまで相次いでロータリー搭載車をラインアップ。マツダが言うところの「ロータリゼーション」に邁進します。そして5車種目となるサバンナはコスモ・スポーツ以来のロータリー専用車として1971年(昭和46年)にデビューしました。

車種展開はクーペとセダン。のちにスポーツワゴンが加わりました。

ちなみに、サバンナの輸出モデルの名称は「RX-3」、国内のレース仕様車は「サバンナ RX-3」でした。

サバンナのフロントマスク
誇らしいロータリーエンジンのバッジ

無敵だったスカイラインGT-Rを撃破

サバンナ RX-3に名を成さしめたのは、当時、国内のカーレースで圧倒的な強さを発揮して連勝街道を突っ走っていたスカイラインGT-Rを打ち負かしたことです。

サバンナ RX-3は1971年末の「富士ツーリストトロフィ」に参戦。「これに勝てば50連勝」という日産・スカイラインGT-R勢が相次いでリタイアしたこともあって、デビュー戦で初勝利しました。

明けて1972年3月の「富士グラチャンシリーズ」第1戦でGT-Rが50勝目をマークするも、その後5月の「日本グランプリ」で片山義美のドライブするRX-3が見事優勝。

それ以降、レースシーンではGT-Rに代わってRX-3旋風が巻き起こることとなり、1976年には国内レース通算100勝という偉業を達成しました。

ロータリーエンジンの中味
おむすび型のローターとまゆ型のハウジング

圧倒的なコストパフォーマンス

スカイラインGT-Rと互角以上の実力を見せつけながら価格はGT-Rの約半額という、驚くべきコストパフォーマンスの高さもサバンナの魅力でした。

低価格を実現できた理由には、ロータリゼーションによる量産効果と大衆車のファミリアとシャーシを共用していたことが挙げられるでしょう。

サバンナのリア
前期型のリア

RX-7に引き継がれたスポーツの血脈

サバンナ RX-3の後継となったのは、1978年に登場したサバンナ RX-7です。

RX-7はセダンやワゴンにも車種展開していた先代と異なり、純粋なスポーツカーとしてデザインされました。モータースポーツ界での活躍によって証明されたロータリーエンジンのポテンシャルを受けつぎ、たゆまずスパルタンに磨き続けたことで、RX-7は日本が世界に誇るスポーツカーに育っていくことになります。

初代RX-7
サバンナ RX-7(初代)

データ

  • 販売期間:1971年(昭和46年)~1978年(昭和53年)
  • エンジン:982cc(前期型)1,146cc(後期型) 2ローター
  • ホイールベース:2,310mm
  • 全長:4,065mm
  • 全幅:1,595mm
  • 全高:1,335mm
  • 重量:885Kg

管理人のつぶやき

そもそも名前がいいですよね。サバンナ。灼熱の太陽。猛獣が駆け巡る荒野。いかにも野性味あふれるイメージはレースでの活躍ぶりにふさわしいものです。

マツダのホームページによるとそんなイメージで間違いないようですが、もうひとつ意味が込められていたことがわかりました。

大草原を走る猛獣の野生美と溢れるパワーのイメージに加え、世界初の蒸気船、原子力船がともに「SAVANNA」であったことから命名された。

つまり「世界初」と言いたかったようなのですね。でもサバンナの何が世界初だったのだろう?量産車初のロータリーエンジン搭載ならコスモ・スポーツですしね。まぁ野暮なツッコミはやめときましょう。笑

フォトギャラリー

サバンナ前期型
前期型クーペ
エンジンルーム
さりげなくタワーバーが
サバンナ
70年代のスポーツクーペらしいフォルム
サバンナ後期型
後期型クーペ
後期型サバンナ
バンパーの形に注目
コクピット
スパルタンな雰囲気
後期型のリア
後期型のリア
コンパクトなエンジン
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