円谷プロが「ウルトラシリーズ」以外に初めてチャレンジした巨大ヒーローがこのミラーマンです。第二次怪獣ブームのさなかに登場、視聴率争いでもなかなかに健闘したヒーローです。ちなみに裏番組は「シルバー仮面」でした。
ミラーマンとは

第二次怪獣ブームとは
第二次怪獣ブームについて語るにはまず第一次怪獣ブームから始めないといけませんね。
第一次怪獣ブームは1966年から68年にかけてテレビ放映された巨大怪獣が登場する特撮ドラマが起こした社会現象のこと。当時は単に『怪獣ブーム』と呼ばれました。代表的な番組は『ウルトラQ』や『(初代)ウルトラマン』で、それまではゴジラのように映画館でしか観ることのできなかった迫力ある特撮がお茶の間で楽しめるとあって子どもたちの間で人気沸騰。
この商機を逃すな、ということであらゆるジャンルで怪獣やヒーローが商品化されました。雑誌、おもちゃ、文房具、お菓子、日用雑貨、レコードなどなど。着ぐるみを使った実演ショーも客寄せとして盛んに開催されました。教育熱心なお母さんのことを「ママゴン」と呼んだ、なんていうのもいかにも社会現象らしいですね。
で、第二次怪獣ブームは1971年からと言われています。嚆矢は『宇宙猿人ゴリ』(のちに『スペクトルマン』に改題)。この番組は大きな社会問題だった公害を取り上げた問題作。また別の機会に取り上げましょう。
ここから巨大ヒーローや怪獣人気が再燃。ブーム化を決定づけたのはあのウルトラマンの再来、『帰ってきたウルトラマン』です。さらに等身大で変身する新しいヒーロー像を生んだ『仮面ライダー』も登場。各業界のオトナたちはふたたび甘い汁を吸うことができました。
で、ミラーマンって?
前置きが長くなりました。
ミラーマンに変身する主人公は新聞社のカメラマン、鏡京太郎。もう名前からしてミラーマンになる運命にありました。
京太郎の母・優子は地球人ですが、父はなんと異次元人である先代ミラーマン。異次元世界は「二次元」というんですから平面の世界だったわけですね。三次元人の母と二次元人の父から生まれた京太郎はさしずめ2.5次元人?

不思議な世界観
地球を狙うのは「インベーダー」。宇宙からの侵略者です。
惑星X(デビル星)から「環境の優れた」地球への移住を目論んでいるというストーリーなんですが、かなり無理があります。というのも、デビル星人は光に弱く、地球に姿を現す時には光にあたらないようにマスクをしたりサングラスをかけたりしているのです。
なんぼ地球が緑色をしていてキレイだからといって、太陽光線が降り注ぐ環境でどうやって生きていけるんでしょう。まさか核爆発でもさせて暗雲に覆われた世界を造ろうとしていたのでありましょうか
デビル星人の発想、地球人には理解できません。
鏡がいのち
ミラーマンの行動はなかなか特徴的でした。
鏡や光の反射をつかって瞬間移動する、というのが斬新でした。ウルトラマンは空を飛べましたが、その能力はなかったのです。
ちなみに鏡の中にいる時に割られたらアウトです。そこは露骨な弱点ですね。

やっぱりカラータイマー
ミラーマンは途中からベルトにウルトラマンのようなカラータイマーがついたのです。これはインベーダーによって仕掛けられた体内爆弾が起動しないようにするため。一定量のエネルギーを使うと爆発する仕掛けだったのです。そこでエネルギー残量計としてカラータイマーがついたのでした。
ウルトラマンもそうですが、ヒーローには何かしら制約があったほうがスリルが増すっていうところがありますよね。

データ
- 放映:1971年12月~1972年11月
- テレビ局:フジテレビ
- 回数:51回
- 主演:石田信之
管理人のつぶやき
第二次怪獣ブーム当時は小学校中学年だったので、ブームの渦中におりました。そのせいでしょうか、いまだに主題歌の出だしがすぐに頭に浮かびます。
「あ~さやけ~の~ひかりのなかにたつかげは。みらーまーん!」
あの時代、テレビをつけると必ず何かしらの特撮モノやアニメをやってました。おもちゃ屋さんにはソフビ人形や超合金、プラモデルなんかが溢れていましたね。文房具もキャラクター入りが花盛り。少子化が嘆かれる現代と違って、子供向け市場は巨大でしたからね。右肩上がりの時代でした。