駄菓子にはざっくり言ってふたとおりあると思います。甘味料や着色料バリバリのいわば「新興系駄菓子」と、天然素材中心で昔ながらの「伝統的駄菓子」。『みつあんず』は後者ですね。
ミナツネ みつあんずとは
駄菓子といえど侮れない
ジャムのようでもあり乾燥フルーツのようでもある不思議な駄菓子『みつあんず』。
日本伝統のフルーツ「あんず」を加工したちょっと本物感のある駄菓子です。パッケージに「APRICOTS」と英語が書いてあります。そうです、英語ではアプリコット。

ちなみに別名は「唐桃(からもも)」というのだそうです。そうすると中国からやってきた種ということになりますね。
日本最古の薬物辞典である『本草和名』に「杏子(カラモモ)」として掲載されているそうですから、平安時代にはもう日本にもたらされていたわけですね。
大正4年創業の老舗メーカー謹製
製造元の港常(ミナツネ)は大正4年創業のあんず専門加工の老舗メーカー。パッケージにある「あんずのトップメーカー」はダテじゃないのです。

「はちみつ入り」というのがいいですね。駄菓子にしては高級な素材を使っています。安易に人工甘味料に走らないのは老舗の矜持と言えましょうか。あんず本来の甘味を引き出すためには砂糖よりはちみつなのかもしれませんね。
ちなみに、ミナツネからは姉妹品として「あんずボー」や「うぐいすあんず」が出ています。「うぐいすあんず」はちょっとイメージ湧きませんが、「あんずボー」は駄菓子屋さんの定番商品のひとつですね。スティック状のビニールパッケージにシロップ漬けの砕いたあんずが入っています。凍らせて食べると格別に美味しいのです。
食べてみた
乾燥プルーンによく似た外見と食感です。はちみつと水飴が使われているためかねっとり感があり、甘みは濃厚です。でも甘ったるい感じではなく、優しい甘さと言ったらよいでしょうか。

もちろんそのまま食べてもよいのですが、ジャムのような食べ方があるのではと思い、プレーンヨーグルトに入れてたところこれが大正解。よくまぜて食べるとほどよい甘みのアプリコットヨーグルトの出来上がり!パンに塗るのもよさそうですね。
なお、原材料には「漂白剤」が含まれていますが、これは干杏に含まれている成分で、製造時に添加したものではありません。

データ
- メーカー:ミナツネ
- 原材料:水飴、干杏、砂糖、蜂蜜、糊料(CMC)、酸味料、香料、ラック色素、漂白剤(亜硫酸塩・原料由来)
- 内容量:30グラム
- 売価:30円
管理人のつぶやき
これは良心的な駄菓子ですね。罪悪感を感じないですむ駄菓子です。
一方で、添加物の塊のようなものや、くじ付きで射幸心に訴える駄菓子もあったりして、実はそちらのほうに惹かれたりします。ちょっと悪いことをしているような背徳感が魅力なのかもしれませんね。