三菱自動車がギャランGTOの後継として1976年に発売したスタイリッシュなクーペ。アメリカではクライスラーにOEM提供され、ダッジ・チャレンジャー/プリマス・サッポロとして人気を博しました。
三菱 ギャランΛ(ラムダ)とは

デザインが光るクーペ
1976年、三菱自動車は一台のクーペを世に送り出しました。その名は「ギャランΛ(ラムダ)」。ベースとなったのは、同社の中核モデルである「ギャランΣ(シグマ)」で、Λはその派生として、よりスタイリッシュで高級感を備えたスペシャルティカーとして企画されました。

直線的でシャープなボディラインに、後ろからみたときのロールバー風Cピラーとラウンドしたリアガラスがデザイン面でのハイライトです。特にリアガラスは、旭硝子(現AGC株式会社)の協力によって一体成型とすることが出来たことがデザインの完成度を高くすることに大きく寄与しています。

鼻筋のとおったフロントマスク
デザイン面でのもうひとつの特徴はフロントマスク。国産車で初採用だった角形4灯ヘッドライトに、高い鼻筋をイメージさせるグリル。エキゾチックな彫の深い表情を醸し出しています。

異なる販売チャネル向けに意匠と車名を変えただけの姉妹車が用意されることはよくあることですが、ご多分に漏れずギャランΛにも1978年、姉妹車「ギャランΛエテルナ」が誕生します。ところが、残念なことに鼻筋のとおったマスクは一般的なグリルに変更されてしまいました。

インパネはナイアガラの滝をイメージ
内装もスタイリッシュな外観に負けない高級感とスポーティーさを追求したものとなっています。
インパネ中央上部からセンターコンソールにかけて連続感を持たせたデザインとなっており、あたかも「ナイアガラの滝」が流れ落ちるかのようなダイナミックなイメージを狙っていました。
熟成された走りのメカニズム
ギャランΛは、見た目の華やかさだけでなく、中身も充実していました。
駆動方式はFR(後輪駆動)で、搭載されるエンジンは当初1.6Lから2.0Lまでの直列4気筒。そして、マイナーチェンジを経て2.6Lのアストロンエンジンも追加されました。このアストロンエンジンには、三菱独自の「サイレントシャフト機構」が搭載されており、直4エンジン特有の振動を打ち消すという画期的な技術として注目されました。
また、サスペンションはフロントがストラット式、リアが4リンク式リジッドアクスルで、当時としてはバランスの取れた走行性能を誇っていました。

海を渡ったラムダ
日本市場にとどまらず、ギャランΛは海外でもユニークな展開を見せました。特に北米市場では、「ダッジ・チャレンジャー」「プリムス・サッポロ」として販売され、三菱車の北米進出の一翼を担いました。これらのモデルは、当時クライスラーと技術提携を結んでいた三菱がOEM供給したもので、日本車としての信頼性と、アメリカ車らしいネーミングの組み合わせが、新たな顧客層を開拓しました。
この流れは、後の「スタリオン」や「エクリプス」など、三菱がアメリカで展開するスペシャルティカー戦略へとつながっていくことになります。ギャランΛは、国産車としての先進性と、輸出戦略のはしりという、二つの顔を持った存在でした。

データ
- 販売期間:1976年(昭和51年)~1980年(昭和55年)
- エンジン:1,600/2,000/2,600cc 直列4気筒
- ホイールベース:2,515mm
- 全長:4,650mm
- 全幅:1,675mm
- 全高:1,330mm
- 重量:1,165Kg
管理人のつぶやき
ギャランラムダを見ると反射的に思い浮かぶ顔があります。それは草刈正雄さん。日本人離れした彫の深い顔立ちは、まさにラムダのフロントマスク。スポーティーなイメージもそっくりです。まぁ草刈さんの顔立ちが日本人離れしているのは不思議ではありませんね、父親がアメリカ人なのですから。
実は草刈さんはクルマのCMに起用されたことがあります。トヨタの「チェイサー」。言わずと知れたトヨタのハイソカー3兄弟の一角ですね。あとはマツダの「ファミリア」。チェイサーは草刈さんのイメージによく合っていると思いますが、ファミリアはちょっと意外な感じがします。俳優としての役柄の広がりを表しているようでちょっと面白いですね。


