ゲームセンターの一角に一段と賑やかなエリアがありました。そこに展開するのは色とりどりの光とアドレナリンを誘発するサウンドのファンタジー。それがピンボールでした。
ゲームセンターの花形
ハデハデな電飾に刺激的なサウンド。ゲームセンターの一番賑やかな一角に並ぶのはさまざまな趣向を凝らしたピンボールマシンたち。
ちょっと大きなお兄さんたちの専用マシーンみたいな気がして、まだ小学校低学年の自分は遠巻きにして眺めていたのを覚えています。

ピンボール・ウィザードはいたのか?
1964年にデビューしたイギリスのロックバンド、ザ・フーの名曲のひとつに『ピンボールの魔術師 – Pinball Wizard』というのがありました。1969年にリリースされたスタジオアルバム『トミー』に収録されています。
このアルバムは「ロックオペラ」と呼ばれていて、主人公のトミー・ウォーカー少年の数奇な運命をストーリーとしたオペラ。ロックでオペラという、なんとも実験的なアルバムでした。
『ピンボールの魔術師』は、突如才能の開花したトミーがピンボール大会でチャンピオンを破り、一躍「ピンボールの魔術師」と称されるヒーローになるというエピソードを歌ったもの。

シンプルだが奥深い
ピンボールのゲーム性といえば、銀色の球を弾いたらあとは盤面を重力に従って転がり降りてくる球をロストしないように左右のフリッパーで弾き返すだけ、という極めてシンプルなもの。
とはいえ、弾かれた球がターゲットに当たったりゲートを通り抜けたり、はたまた穴にはまったりしながらカタカタ…と点数が積み上がっていくカウンターを睨みながらも、いつ急に落ちてくるかもしれない球に備えてフリップのスタンバイを怠らないよう注意力をキープしておく必要があるという、緊張感あふれるものでした。
アップダウンの激しいトミーの数奇な人生を銀玉の行方と重ね合わせる意図があったのでしょうか。
真相はわかりませんが、そう解釈してみるのも一興と思ったりします。

色々な動作モード
上級者はフリッパーの使い方が巧みで、狙ったところに球を弾き返すことが出来るし、なかなかボールロストしないので桁違いの点数を稼ぐことが出来るのでした。なのでなかなかピンボール台から離れません。
機種によっては、ボールがあるゾーンに入ると狂ったように連続パンチが発生し、見る見るうちに点数が上昇していくものがありました。パニックモードとでもいうのでしょうか。
好きだったのは上下2階層の構造になっているマシンで、上層に球を打ち上げることが出来るとすごく上達したような気がしてアドレナリンが増量しました。
あと、何が起こったのかわからないうちにボーナスがついていて、持ち球が増えるということもありました。すごく得した気分になりますね。
なんにせよ、ルールや挙動を全く理解していなくてもそれなりに楽しめるところが良いですね。

TILTに気を付けろ!
ゲームに熱中するあまりつい台をゆすったりすると、TILT(ティルト)ランプが点灯してフリッパーが動かなくなるというペナルティが発動されてしまいます。興奮のし過ぎに注意です。

管理人のつぶやき
ピンボールって、結構まわりで見ている人がいるのが気になりませんか?
「すぐボールロストしたらカッコ悪いな」とか「フリッパーの使い方ってこれで良いんだっけ?」とか、色々と周囲の目が気になってしまいます。
いつかトミー少年のような魔術師級のプレーを披露してギャラリーの度肝を抜きたいものです。