刑事ものと特撮ヒーローものを合体させたユニークな作品『ロボット刑事』。主人公の名前は単に「K」なのですが、子供たちのあいだでは「ロボット刑事K」が通称になっていました。
ロボット刑事Kとは
普段はオシャレなジェントルマン
普段は黄色いハンチング帽に赤いブレザー、白いパンツといういで立ちでジェントルマンなKです。人間なみの感情を持っていて、目の色が変わるんです。普段は黄色、怒ると赤、そして悲しいときにはブルーに。
ひとたび犯罪に対する怒りでスイッチが入ると衣服を脱ぎ棄て、ゴッツイ戦闘ロボットと化します。
骨肉の争い
Kをつくったのは霧島サオリ博士という女性科学者。
実はKが生まれた背景には霧島家の骨肉の争いが背景にあったのです。
サオリ博士の父、霧島博士がある事件で殺害されたことから、サオリの弟・ジョーは人間を激しく憎悪するようになります。歪んだ憎悪はやがて人類への復讐へとエスカレート。とうとう世界征服することを妄想するようになってしまいました。
ロボットレンタルビジネス
そんな壮大なプロジェクトを実現するには厖大な資金が必要です。そこでジョーが思いついたのが「犯罪に手を貸すロボットのレンタルビジネス」だったのです。
それに気付いたサオリ博士が、弟の野望をくじくために開発したのがKというわけです。霧島姉弟の骨肉の争いが人間社会を巻き込んでしまったという構図です。
ジョーは犯罪組織バドーを設立、ロボットレンタルビジネスに乗り出します。犯罪の主役はあくまで人間。なので、Kは警察の一員となって人間の刑事とともに犯罪捜査に取り組むことになったのでした。Kはたたき上げのベテラン刑事に嫌われたり、熱血刑事に励まされたりしながら事件を解決してゆきます。刑事ものの要素がしっかり入っていますね。
ちなみに、ロボットのレンタル料は犯罪で得た利益の半分なんだそうです。世界征服のための資金がたまるまで、いったいどれぐらいの犯罪に手を貸す必要があったのか?犯罪ロボットの開発費はどうやって工面したのか?ジョーのビジネスプランが気になります。
愛車はジョーカー
Kの愛車、ジョーカーです。スポーツカーと救急車のあいの子のようなちょっと不思議な形をしていますね。最高時速500キロ、なんとジェット推進により空を飛ぶこともできるスーパー・パトカーです。
ちなみにベース車両はヨタハチことトヨタ・スポーツ800なのです。そう言われてもピンとこないほどにカスタマイズされていますね。
ドアはなんとガルウイング!
これなら大柄なKも乗り降りしやすかったでしょう。
しかしこのドライビングポジションは大丈夫?ほとんど寝ています。
管理人のつぶやき
ロボット刑事Kを一目見て、「キカイダーに似てるな」と思ったものです。
それもそのはず、原作は同じ石森章太郎。
テレビでの放映は『人造人間キカイダー』が先で、『ロボット刑事』はキカイダーの放映修了とほぼ同じ時期に始まっています。ただしテレビ系列が異なるため後継番組ではなかったです。
見た目は少し似ていると言えども設定はまるで正反対といえるほど違いますね。
キカイダーは変身しますがKはずっとロボットです。
人間社会には溶け込もうとしない孤独なキカイダー/ジローに対してKは人間組織に組み込まれています。
キカイダーは不完全な良心回路のせいで悪のココロとのせめぎあいに苦しみますが、Kは並の人間以上の正義感や優しさがしっかりとインストールされています。
乗り物は2輪車(正確にはサイドカー付き)と4輪車と、どこまでも違いますね。
1970年代は特撮とアニメが入り乱れてヒーローものが百花繚乱。差別化のために細かい設定の違いが意識されていたのかもしれませんね。
同じ原作者の作品を較べてみるのもなかなか興味深いものです。