東京の西北部に位置する青梅市は恵まれた自然を活かした観光資源が豊富ですが、昭和レトロも街おこしの重要テーマになっています。古民家を利用した博物館には、昭和30年~40年代のくらしを思い起こさせるさまざまなアイテムが所狭しと並んでいます。
目次
昭和レトロ商品博物館とは

JR青梅駅から歩いて4分。旧青梅街道沿いに位置する瓦屋根の二階建て古民家が昭和レトロ商品博物館です。
昭和B級文化研究家・串間努さんのコレクションを中心に、食品・飲料、文具、玩具、くすりなど、生活に密着した雑貨の商品パッケージを後世に残すという趣旨で平成11年10月に開設されました。
では展示物を見ていきましょう!
入口付近
入口を入ると、右手の陳列ケースにはいきなりカメラが。蛇腹式の古いものから一眼レフまで、とくに整理されるわけでもなく陳列されています。寄贈者のネームプレートも。



カメラの隣には唐突に小粒キャンディーのパッケージが。「小梅」ちゃんが最初の製品だったと思いますが、ずいぶんとバリエーション展開されたんですね。

陳列ケースの下段にはファミリーゲームが。
これはタカトクというメーカーの『生き残りゲーム』ですね。スライダーを動かして相手の玉を落とすやつですね。最後まで生き残った者が勝ち。姉妹品の『沈没ゲーム』が家にありました。

これは何という名前だったか。サイコロの目にあわせて三角帽子のコマを進めていって、いち早く中央に全部のコマを重ねると勝ち、っていうルールだったかな?うろ覚えです…

なつかしい赤電話!たばこ屋の店先に置いてあるのがこんなイメージでした。

駄菓子屋を再現
入口の突き当りには『昭和堂本舗』と書いたのれんが。これは駄菓子屋さんを再現したもので、お店の横側から見た様子。懐かしいホーロー看板が掛かっていますね。

正面に回るとこんな感じです。10円玉を握りしめてさんざん通ったあの頃を想いだしますね。改めてみると空間を余さず活用した超立体的陳列。ビレッジバンガードも真っ青ですね。





玩具コーナー
ソフビと呼ばれる人形。ソフビっていうのは「ソフトなビニール」から来ているんでしょう、たぶん。


雑然といろいろなおもちゃが置かれています。


『タクシーゲーム』が気になります。どんなゲームなんでしょう?右端の『ポケットメイト』は携帯ゲーム機。バリエーション豊富でした。

サンスターお得意のスパイシリーズ。スパイ手帳、持ってましたねー。消えるメモ用紙が気に入ってました。

水のみ鳥は『平和鳥』っていうんですか。知らなかった。

遊ぶ時にはコマを伏せておくんですよね。プレーヤーふたりのほかに審判役が必要。


「倍率ドン、さらに倍!」というのが最後の出題のキメ台詞でした。「はらさんに全部!」が手堅い賭け方。ギャンブルするなら教授かな。

文房具コーナー
文房具屋はおもちゃ屋と並んでワクワクさせられるお店でした。最新の文具を友だちに自慢してやろう、とネタを探したものでした。

なぜかウォークマンが隠れています。

鉛筆削りは必需品でしたね。お金持ちの家には電動式が。

憧れだった学研の『電子ブロック』。

昆虫採集セットですね。こんなアブナイものが子供向けに売られていた時代です。

クレヨンや絵の具。「ぺんてる」って不思議な響きだな。

雑貨コーナー
文字通りの雑貨。

真ん中あたりの金色の円盤はカイロかな?

ヤニとり効果をうたった『ザクトライオン』。タバコ好きの叔母さんが使ってたな。

クスリコーナー
クスリ屋さんは独特のニオイがしました。


『ネオムシチョコ』って??虫下しの入ったチョコレートでしょうか。


ロングセラー商品コーナー





コカコーラのボトルやノベルティなど
原 好生さん寄贈のコレクション。ズラリ。

ABBAとのコラボレーションなんかあったんですね!




大流行したスーパーヨーヨー。

タバコ
現代ではすっかり肩身の狭くなってしまったタバコ。昭和時代には「大人の嗜み」とすら言われたものでした。さまざまな記念パッケージがあったんですね。



雪女伝説
博物館の二階には小泉八雲が描いた雪女伝説についての資料がたくさんあります。




近傍を散策
せっかく青梅を訪れたのなら博物館だけではもったいないです。ぜひ散策して青梅の魅力を味わいましょう。
レトロな街並み
旧青梅街道沿いには昭和レトロな建物がいくつも現役で残っています。ふとタイムスリップしたような感覚になることも。





昭和レトロな食堂
店名がそのものズバリのレトロな食堂。

シンプルな醤油味のラーメンに餃子。懐かしい味。

住吉神社
応安2年(1369年)延命寺を開山した季竜が、創建と同時に季竜の故郷である摂津国の住吉明神をこの地に祀ったのが始まりと伝えられる、のだそうです。



多摩川と調布橋
多摩川の上流はこんな清流なんですね。調布橋もイイ感じです。



〆は昭和のプリンで
JR青梅駅のすぐ隣にお土産屋さんがあります。その一角がカフェコーナーになっています。昭和レトロを堪能した一日の〆にはぜひ昭和のプリンを。

駅ナカにも昭和レトロが
JRも青梅市と一緒になって盛り上げよう、という心意気が感じられます。


旅の最後は『終着駅』で。

データ(昭和レトロ商品博物館)
- 所在地:東京都青梅市住江町65
- 営業時間:10:00 – 17:00
- 開館日:金曜日、土曜日、日曜日および祝日
- 入館料:大人350円、小中学生200円
- ホームページ:https://www.omekanko.gr.jp/spot/01901/
管理人のつぶやき
この記事は2025年4月29日、つまり昭和の日に訪問した時の写真をもとにしています。2025年は昭和100年にあたるわけなので、さぞや当博物館も混んでいるだろうと思って気合を入れて開館10分前に到着したのですが、あれ、誰も待っていない?いや、一組だけいるみたい。でも開館時間になっても入口は鍵がかかったまま…
まさか休館日ってことないよね?いったいどうした?と困惑しつつ佇んでいたら、開館時刻を5分ぐらい過ぎた頃に近所のおばさんらしき人がやってきて解錠。無事に入ることが出来ました。なんて昭和らしい大らかな運営なんでしょう、とナマラ嬉しくなりました(笑)。
実は10年ほど前に訪れたことがあったのですが、館内の様子はほとんど変わっていませんでした。写真を見るとわかるとおり、展示品はきちんと整理されておらず、いわばカオス。説明プレートも所々思い出したようにある程度。そんなユルさも変わっていませんでした。
そこが昭和っぽくてイイと言えるのかもしれませんが、せっかくならジャンルごとに整理して簡単な解説を載せるなど、展示の仕方をアップデートしたらもっと魅力的な博物館になるのになぁ、と思ったのでした。