ステレオタイプのラジカセが普及しはじめた1970年代半ばに、内臓スピーカーはモノラルに割り切り、オプションを接続してコンポステレオに発展させるというコンセプトを提案したステレオラジカセです。
ソニー CF-2700/stereo2700とは

一見モノラル、実はステレオ
ステレオタイプのラジカセが登場したのは1970年代前半のこと。1971年にソニーが発売したCF-2500というモデルが世界初のステレオラジカセとされています。これはFM放送のステレオ化を受けた流れで、まだステレオ対応の番組が少なかったことから、初物に飛びつく一部のマニアに受け入れられるにとどまりました。
ステレオ放送が本格化するに伴い、一般的なユーザーにもステレオタイプのラジカセへの関心が高まっていったのが1970年代中ごろ。徐々に製品ラインアップが増えていきましたが、まだモノラルラジカセに比べて割高感があり、モノラルラジカセ自体も高音質化や高機能化により魅力を増していったため、ステレオへの世代交代はもうしばらく先のことでした。
そんな時代に登場したのがCF-2700。スピーカーがひとつしかついていないためモノラルラジカセのように見えますが、FMチューナーとカセットデッキ部はステレオ仕様となっており、ヘッドホンをつなげばステレオサウンドを楽しむことが出来ました。

ステレオコンポに発展できる
ソニーでは、同時期に左右チャンネルのスピーカーを搭載したCF-3800というモデルも併売。こちらは定価79,800円とかなり高額でした。
CF-2700は内蔵スピーカーがモノラルにもかかわらず定価64,800円。CF-3800の下位モデルに定価47,800円のCF-2400が存在していたことからすると、かなり強気な価格設定です。
これは、CF-2700とデザインを合わせた別売のアンプTA-1700やレコードプレーヤーに外部スピーカーと組み合わせてコンポステレオを組むことを想定した価格設定だったと思われます。コンポはラジカセより高級な商品ですから、その一員であるCF-2700も普通のラジカセとは価格的に一線を画していなければなりません。もっともこれは管理人の憶測に過ぎませんが。

ユニークなレイアウト
コンビとなるアンプと積み重ねることを前提としたユニークなレイアウトになっています。
テープの操作レバーは横置きにした時に前面にきますが、ポーズボタンだけなぜか上面に置き去りにされています。クロームテープが選べるテープセレクターも上面に配置されています。録音レベル設定は自動式のソニオマチックとマニュアルが選択できます。マニュアルが選べるのはコンポデッキを意識していますね。



デンスケ風だけど別物
屋外でのライブや野鳥のさえずり、機関車の走行音などを収録する、いわゆる「生録(ナマロク)」がちょっとしたブームになり、機動性を重視したポータブルタイプのカセットデッキが各社から発売されていました。
ソニーからは「カセットデンスケ」と呼ばれるシリーズが人気を呼んでいましたが、CF-2700はデンスケに似たスタイルであることからデンスケの仲間と思われることがあるようです。しかし中身は別物で、デンスケの特長である「F&Fヘッド」や「DC-DCコンバーター」は採用されていませんでした。周波数特性やワウ・フラッターも単品デッキらしく優秀なデンスケとは違い、CF-2700はラジカセスペックでした。
ただ、ソニーもデンスケのカタログにCF-2700をさり気なく掲載しているあたり、確信犯の匂いもしますね。

コンビを組むアンプ
相棒のプリメインアンプTA-1700は、さすがに統一されたデザインなだけにCF-2700とセットで入手うしたくなる魅力十分です。
出力は15W+15Wと控えめですが、ラジカセとは格が違うパワーです。フォノイコライザーやラウドネス、ハイフィルター、複数の入力端子なども装備しており、単品プリメインアンプしてのミニマムな機能を満たしています。


データ
- モデル名:CF-2700
- 発売:1976年(昭和51年)
- 定価:64,800円
- サイズ:W370 x H105 x D240 (mm)
- 重量:4.8kg(電池含む)
カタログより


管理人のつぶやき
外部スピーカーやレコードプレーヤーを接続してシステムアップする、というコンセプトの元祖ですね。アルバイトに精を出してラジカセはなんとか手に入れられても、コンポステレオは高根の花。そんなギャップを埋める一手としてメーカーが提案していたのがシステムアップでした。
システムアップが前提なら内蔵スピーカーはモノラルで良いはずなんですが、どうもあまり受け入れられなかったようで、のちに登場するシステムアップの中心になるラジカセはステレオタイプになりました。ビジネス的にはアクセサリー販売によって顧客単価アップを狙ったのでしょうね。



