昭和時代には現代なら許されないようなユルい玩具がいろいろありましたが、少年少女の科学するココロを刺激するような商品もありました。今回はそんな科学っぽいオモチャを4点ご紹介します。
電子ブロック
学研の『電子ブロック』です。これはユル玩具扱いするのは申し訳ない、正統派?の科学玩具。
トランジスタや抵抗などの電子部品をプラスチック製ブロックに格納したもので、ブロックを組合わせることによってラジオや拡声器など、さまざまな機能を実現することができるという玩具です。
電子部品を使ってモノを作ろうとすると、基本的には基板に部品をはんだ付けすることになるのですが、結構手間がかかりますし、失敗すると部品を組み替えるのが大変です。電子ブロックであればはんだ付け不要で簡単に、しかも自由自在に組み合わせを変えることもできるのがミソ。
現代では色々な機能を実装するのは主にソフトウェアが担っていますが、まだソフトなど一般に出回っていなかったこの時代に、部品というハードの組み合わせを自由に試せるようにした電子ブロックはプログラム時代を先取りした画期的な玩具だった、といえるかもしれませんね。
高価だったので手に入れることはできませんでしたが。
ラブテスター
これは、ふたりのラブラブ度合いを測ることができるというある意味恐ろしい玩具です。
使い方は簡単。ラブテスターから出ている2本の電極を、測定したいふたりがそれぞれ一つづつ手に握り、空いた方の手で握手するだけです。ラブラブ度合いが高いほどメーターの針が振れる、ということになっています。
原理は簡単で、人体が電気を通すことを利用した電流計。手に汗をかくほど電気が通りやすくなるのでメーターが大きく振れます。つまり、ラブラブ度合いが高い=たくさん汗をかく、ということが前提になっています。
なので、まだお付き合いを始める前のふたりなら緊張感もあって汗をかきやすいはずですが、付き合いの長いふたりならもはや緊張して汗などかかないでしょうから、ラブテスターは「愛情、少ないですね」という判定になってしまうわけです。ね、恐ろしいでしょう?
ちなみに、ひとりで電極を両手に握ると「うそ発見器」になります。うそをつくと緊張して汗が出る、という現象を利用したものですね。なので、平気でうそをつける人を見破ることはできません。
トムボーイ
モノとしては薄い金属でできたコイルなのですが、箱のイラストにあるように、下り坂をひとりで降りることができるという不思議な玩具。
これの科学的なところは「慣性の法則」が関わっているところです。コイルの自重に慣性の法則が作用することによって降りる動作が起こるわけですね。
これは買った覚えがありますが、実際には下り坂より階段のほうがスムーズに「降りる」動作ができました。両手に乗せてお手玉のように操ったり。動くときに「シャーッ」と金属製らしい音がします。
まるで生き物のように階段を降りていく様子は不思議でとても面白かったですね。ただ、失敗してコイルがこんがらがると元に戻すのが難しく、無理に戻そうとしてコイルに折れができてしまうともうダメでしたね。
地球ゴマ
名前からして科学っぽいです。地球の自転を思わせることからそう名付けられたのでしょう。
ふつうのコマは回転軸がそのまま接地するので、回転している間は倒れないことが感覚的にわかるのですが、地球ゴマは回転体の外側のフレームの足で接地するので、なぜ倒れなのかちょっと不思議でした。
原理は「ジャイロ効果」とか言うらしいですが、正直なところ理解してません。
縁日の露店なんかでも売っていましたね。タコ糸の上を「綱渡り」させる実演を見て「おーっ!」と感動していました。
ただ、ふつうのコマのようにバトルして遊ぶことができないので、すぐに飽きてしまった記憶です。