テレビの1~3chの音声が聴けるラジオやラジカセは本機以前から存在しましたが、RC-505はVHF全チャンネルに加えてUHFまで対応したテレビ放送フルカバーの本格派。チャンネル付きなのが泣かせます。
ビクター RC-505(TV505)とは

チャンネル付きラジカセ
ブラウン管時代のテレビにはガチャガチャ回すタイプのチャンネルがついているのが当たり前で、プッシュ式やタッチ式さらにリモコンが登場するのは後年のことでした。
RC-505はまさにガチャガチャタイプのチャンネル真っ盛りの時代に登場したラジカセです。
アナログ時代のテレビ電波には周波数帯域の違いによってVHFとUHFの2種類があり、チューナーはそれぞれ別に対応する必要がありました。初期のVHFしか対応していないテレビ用に、UHFコンバーターという変換機が販売されていました。
RC-505ではご覧の通りVHFは1~12chをロータリー式スイッチでガチャガチャ切り替えるのに対し、UHFはチャンネル外側の黒いリングを回してチューニングします。このリングはVHFの微調整も兼ねています。ラジオのスケールの下にUHF用スケールがついています。

テレビ機能以外はごく普通のモノラルラジカセ
ラジオ部はFM/AM/SWの3バンド。

ボリュームとトーンコントロールはスライド式。トーンコントロールは高音と低音をシーソー式に調節する簡易型です。
テープセレクターがありませんのでノーマルテープしか使えません。

マイクミキシング機能が付いています。テレビやラジオに重ねて自分のナレーションを録音することができます。
カセットデッキ操作ボタンは円柱型のアルミ製。同じサイズのボタンが等間隔で並んでいるので押し間違いしそうです。でもプラスチック製よりは質感が良いですね。

VHFオンリーの下位機種があった
UHFチューナーが付いていないVHFのみの下位機種がRC-505Vです。外観はそっくりですがUHF用のチューニングスケールが付いていません。


データ
- モデル名:RC-505
- 発売:1975年(昭和50年)
- 定価:44,800円
- サイズ:W358 x H212 x D97 (mm)
- 重量:4.0kg(電池含む)
カタログより

管理人のつぶやき
このジャンルのラジカセには正直いってほとんど興味がなかったです。
テレビの音声だけ聴いて何が楽しいんだろうって思っていました。のちに出るブラウン管搭載のいわゆるラテカセには大いに魅力を感じましたが、音声だけというのはいかにも中途半端。
でもテレビ音声はFM放送と同様に高音質なので、FM放送以外の貴重な音源として音楽番組をエアチェックするというのはアリだったかもしれませんね。
現代の視点でオブジェとして見ると、チャンネル付きというところがいかにも昭和らしくて良いです。電話機のダイヤルみたいに、今の若い人の目には新鮮に映ることでしょう。