1970年代、ウォルター・ベッカーとともにバンド「スティーリー・ダン」を結成し、その後ソロとして活躍したアメリカのミュージシャンです。ジャズ、R&B、ソウルからレゲエまで融合しつつ、高度に洗練された音楽性で独自の境地を開拓しました。
ドナルド・フェイゲン/Donald Fagenとは

ドナルド・ジェイ・フェイゲン(Donald Jay Fagen、1948年1月10日生まれ)は、アメリカ・ニュージャージー州パセイク出身のシンガーソングライターであり、キーボード奏者です。
1970年代初頭、ウォルター・ベッカーとともにロックバンド「スティーリー・ダン(Steely Dan)」を結成し、リードボーカルおよび楽曲制作の中心として活躍しました。
ジャズ、R&B、ロックを融合させた緻密なサウンドと、皮肉やユーモアに満ちた歌詞世界で、都市的で知性を感じさせる音楽を追求しました。
スティーリー・ダン時代の代表曲
1970年代において、フェイゲンは以下のようなヒット曲を残し、バンドのサウンドと世界観を確立しました。
- 「Reelin’ In the Years」(1972年)
鋭いギターリフと軽妙な歌詞が特徴。デビューアルバム『Can’t Buy a Thrill』収録。 - 「Rikki Don’t Lose That Number」(1974年)
親しみやすいメロディとジャズ的コードを巧みに取り込んだバンド最大のヒット曲。
- 「Peg」(1977年)
ジャズフュージョン的な展開と滑らかなコーラスで長く愛される名曲。 - 「Hey Nineteen」(1980年)
都会的なセンスが漂う曲で、ジェネレーションギャップのテーマを軽やかに表現。
どの曲にも共通しているのは、派手さを求める当時のロックシーンの中であえて緻密な構成と洗練されたサウンドを選び抜いた姿勢です。
ソロ・デビュー『The Nightfly』と代表曲たち
1982年、フェイゲンは初のソロ・アルバム『The Nightfly』を発表しました。この作品はデジタル録音の先駆的アルバムとしても知られ、各界から高い評価を得ました。
ソロ期の代表曲を4曲ご紹介します:
- 「I.G.Y. (What a Beautiful World)」
1950年代後半の楽観的な未来観をテーマにしたナンバー。ビルボードHOT 100では最高26位を記録し、グラミー賞ソング・オブ・ザ・イヤーにもノミネートされました
- 「The Goodbye Look」
冷戦下のキューバを舞台にしたスパイ映画さながらの世界観をもつミステリアスな楽曲。スムーズなグルーヴと精密なアレンジが光ります。 - 「Ruby Baby」
ドリフターズの名曲をリメイクしたカバー。レトロなリズム&ブルースをジャズ・ロック風に再構築した魅力的な仕上がりです。
- 「New Frontier」
冷戦時代の原子爆弾パニックや地下核シェルターでの恋を、ユーモアとノスタルジーで描くジャズ・ファンク曲。MTV初期に強い印象を残しました。
ソロ期後期の注目曲
ソロ・アルバム後期にも、多くの評価される名曲があります。たとえば、
- 「Snowbound」(『Kamakiriad』、1993年)
夢か現実かのような未来都市を歌う滑らかなジャズ・ロック曲。グラミー作品賞ノミネート。
- 「Morph the Cat」(2006年)
都会的なメロディと哲学的な歌詞が融合したタイトル曲。雰囲気たっぷりの空気感が魅力です 。 - 「What I Do」(同アルバム)
シンプルながらも味わい深いレイアウトと歌詞が印象的な、フェイゲンらしい一曲 。
- 「Weather in My Head」(『Sunken Condos』、2012年)
環境問題や現代社会への風刺が込められた、ブルージーで緻密な楽曲。
音楽性と魅力の本質
ドナルド・フェイゲンの音楽は、一聴するとポップで心地よいのに、その裏には文学的ともいえる皮肉や複雑なコード展開、ジャズの深みがあります。リリックには社会風刺や未来への幻想、都市的な情景が織り込まれ、聴くたびに新たな発見がある「聴き込むほど味が出る」音世界が広がっています。
フェイゲンはただ「聴かせる」だけでなく、「考えさせる」音楽を生み出すアーティストです。スティーリー・ダン時代の洗練とソロ期の成熟、それらをつなぐ知性とユーモア、抑制と余韻。すべてが絶妙に調和したそのスタイルこそが、彼の音楽を世代を超えて愛されるものにしているのです。
管理人のつぶやき
代表作『The Nightfly』は本当に素晴らしい作品。全編これ名曲ばかりです。音質も極上で、オーディオのチェックにも最適です。CDも持っていますがやはりアナログ・レコードでも聴いてみたくなり、中古レコードを入手しました。しかし、中古レコードあるあるで、盛大なパチパチノイズが気になってせっかくの曲が楽しめません。
そこでかねて耳にしていたレコードパックなるものをやってみました。顔面パックさながらに、レコード盤面をパックしてパチパチノイズの原因であるマイクロダストを除去してしまおう、というものです。
ところが、ネットでパック剤としておススメの多かった木工用ボンドが最悪でした。接着力が強すぎて綺麗にはがすことができず、ところどこど剥がし残りができてしまいました。これではパチパチノイズどころか全く再生できません。哀れ、貴重なレコード一枚を無駄にしてしまったのでした。トホホ…
木工用ボンドは説明どおり少し水で薄めたんですが、薄め方が足りなかったのか、銘柄が悪かったのか。あるいは乾燥時間が長すぎたのか。きっとうまくやるコツがあるはずなんですが、ともかく残念な授業料を払うハメになりました。
次に試したのが合成ノリです。「アラビック・ヤマト」ってやつを使いましたが、これが正解でした。実に綺麗に気持ちよくレコードから剥がすことができ、パチパチノイズは大幅に減少しました。すこしアルコールで薄めて使いましたが、原液のままでも良いかもしれませんね。これからはもうアラビック・ヤマト一択です。


