サバイバーというバンド名を聞いて、まず頭に浮かぶのは映画『ロッキー3』のテーマ曲「Eye of the Tiger」でしょう。日本では「ロッキーの曲の一発屋」というイメージが強いバンドかもしれませんが、それだけで片付けることのできないバンドなのです。
目次
サバイバー/Survivorとは

シカゴで生まれた苦労人バンド
サバイバーは1977年にシカゴで結成されました。中心人物はジム・ピータリックとフランキー・サリヴァン。ほかのメンバーも含め、全員がそれまでに別のバンドで活動してきた、いわば「生き残ってきた人たち」の集まりでした。バンド名の「サバイバー」は、後づけのようでいて、実はかなり実態を表していた名前だったわけです。
1979年にアルバム『サヴァイヴァー』でデビューしますが、最初の2枚は正直そこまで売れません。曲は悪くないのに、なかなか世の中に届かない。このあたり、バンドとしては相当もどかしかったはずです。
すべてを変えた「Eye of the Tiger」
そんなサバイバーの人生を一変させたのが、1982年の「Eye of the Tiger」でした。映画『ロッキー3』のために書かれたこの曲は、全米チャートで6週連続1位という、とんでもない大ヒットを記録します。曲もアルバムも一気に売れて、サバイバーは世界的バンドの仲間入りを果たしました。
この曲のすごいところは、理屈抜きでテンションが上がるところでしょう。難しいことは一切なし。シンプルで、力強くて、まっすぐ。だからこそ、スポーツの入場曲や応援ソングとして、今も使われ続けているのだと思います。
ボーカル交代で始まった本当の全盛期
ところが、その大ヒットの直後、ボーカルのデイヴ・ビックラーが脱退してしまいます。普通なら、ここでバンドが失速してもおかしくありません。でも、サバイバーはここからが本番でした。
新しく加入したのがジミ・ジェイミソンです。この人の声がまたいい。力強いのに、どこか切なさもある。彼が加わったことで、サバイバーの音楽は一気に広がりました。
1984年のアルバム『Vital Signs』からは、「High on You」「I Can’t Hold Back」、そして名バラード「The Search Is Over」といったヒット曲が次々と生まれます。このあたりを聴くと、「あれ?サバイバーっていい曲、こんなにあったの?」と驚く人も多いはずです。
再びロッキー、そして80年代の王道へ
1985年には『ロッキー4』のテーマ曲「Burning Heart」がまたまたヒット。全米2位まで上がり、サバイバーは80年代中期を代表するアメリカン・ロック・バンドとしての地位を固めました。
この時期のサバイバーは、とにかくメロディが強い。派手なテクニックよりも、「いいメロディを、いい声で、まっすぐ届ける」。それが彼らの魅力だったと思います。日本人好みのバラードが多いのも、このバンドの特徴です。
時代の波と、それでも残ったもの
80年代後半になると、音楽シーンの流れも変わり、サバイバーの勢いは徐々に落ちていきます。メンバーの入れ替わりや活動休止もあり、順風満帆とは言えない歴史でした。それでもバンドは完全に消えることなく、形を変えながら活動を続けてきました。
2014年には、黄金期を支えたジミ・ジェイミソンが亡くなります。ファンにとっては本当に残念な出来事でしたが、彼の歌声は今も多くの人の記憶に残っています。
「一発屋」で終わらせるのは惜しい
確かに「Eye of the Tiger」の印象は強烈です。でも、そこから少し踏み込んで聴いてみると、サバイバーは実に曲のいいバンドだと気づかされます。「High on You」「Is This Love」「The Search Is Over」「Burning Heart」――どれも、80年代アメリカン・ロックの美味しいところが詰まった楽曲ばかりです。
サバイバーは、派手さよりも堅実さで生き残ってきたバンド。名前の通り、時代を越えて今も聴かれ続けている“サバイバー”なのだと思います。
管理人のつぶやき
レコードを聴いていると飼いネコが寄ってきて、まるで一緒に鑑賞しているようになることがあります。だいたいネコらしく丸まっているだけなんですが、この時はジャケ写に感化されたのか起き上がってこんな表情してました。アイ・オブ・ザ・ニャイガーしてみたんでしょうか。



