ナショナル RF-2600 – BCLファンの夢をかなえたデジタルカウンター搭載機の二代目

高価な通信機型受信機にしか搭載されていなかった周波数のデジタル表示を、手の届く価格のBCLラジオにもたらした革命的製品がナショナルのRF-2800(プロシード2800)でした。RF-2600はその後継機です。

ナショナル RF-2600(プロシード2600)とは

ナショナル RF-2600(プロシード2600)

夢だったデジタルカウンター

いわゆるBCLラジオとは、海外短波放送受信に求められる性能や機能を持たせたラジオのことで、通信機型とよばれる高価で本格的な受信機とは一線を画すものでした。古くからのBCLマニア(まだBCLなどという呼ばれ方が登場する以前からの)は自作の受信機や海外製をふくむ高級受信機を所有していましたが、1970年代中ごろからにわかにブーム化したBCLに飛びついた少年たち(管理人もそのひとり)にとっては、家電メーカー各社から発売されたBCLラジオこそが「マイBCL RX」なのでした。RX(「リグ」と読みます)とはレシーバー、すなわち受信機のことです。

BCLラジオに求められる主要機能のひとつは、目指す放送局の周波数にすばやく正確にチューニングできること。このため、周波数の微調整が効くファインチューニング機構がその機能の第一弾として登場(スカイセンサー5800クーガ115など)、まだ手探り同調ながらも、チューニングの正確性向上に寄与しました。

次いで、BCLラジオのいわば第二世代としてBCLブームを大きく盛り上げたのがスカイセンサー5900クーガ2200に代表される「周波数直読機」。その名の通り、ラジオに表示された「目盛り」から周波数を読み取ることができるようになりました。すばやく正確なチューニングができる画期的な機能です。さらに、受信したい放送局の番組開始前にあらかじめ周波数を合わせておく「待ち受け受信」も可能になりました。

実用的には「目盛り式」の周波数直読でも十分でしたが、通信型受信機では周波数のデジタル表示機能を持つものがありました。「周波数が電光式の数字で表示される」。これはBCL少年にとって憧れの的だったのです。

夢を叶えたプロシード2800

ナショナル(現パナソニック)からは、クーガ2200という第二世代最強のBCLラジオがソニーのnスカイセンサー5900と並ぶ大ヒットとなっていました。BCLラジオの完成形と言っても過言ではないほどの出来栄えを誇るラジオでしたが、そこは競争の激しい日本の家電業界のこと。進化の歩みが止まることはありません。次なる新機軸として打ち出されたのが周波数のデジタル表示でした。

プロシード2800
衝撃デビューの初代プロシード

クーガ2200の発売から2年もたたない1977年5月に、それまでの「クーガ」というシリーズ名に換えて「先進」の意味を込めた「プロシード」の第一弾として華々しく登場したのがプロシード2800ことRF-2800というBCLラジオでした。定価は49,800円と、クーガ2200より1万5千円アップしていましたが、デジタルカウンター搭載の通信型受信機は2桁万円です。まさに衝撃的なデビューでした。

完成度を高めた二代目

プロシード2800は大ヒットしたクーガ2200の後継機だけに、周波数のデジタル表示以外の部分でクーガに見劣りするわけにはいきません。当然ながら、受信回路はクーガ2200と同等の高性能ダブルスーパーヘテロダイン方式。混信を防ぐ高い選択度と音質を両立させるための選択度切り替えスイッチも踏襲していました。

唯一、惜しかったのは中波(MW)の周波数表示が実際の受信周波数に455kHzが加算された値で表示されてしまうこと。例えば950kHzの放送局であればカウンターの表示は「1,405kHz」になってしまうのです。ただ、プロシード2800における中波の周波数デジタル表示はオマケ的機能の位置づけだったため、あえてコストをかけてまで正しい周波数表示をすることもない、という割り切りがあったのでしょう。まぁちょっとした「手抜き感」は否めませんでしたが。

そして、プロシードの二代目となるRF-2600はこの「手抜き」を解消しつつ、コストダウンを図った製品となっています。RF-2800にはなかった機能として、FMの周波数もデジタル表示されるようになりました。デジタルカウンターは2800の赤色からブルーに変更され、クールなイメージになりました。基本性能的には2800と同等です。

RF2600のデジタルカウンター
フルバンド表示のデジタルカウンター
RF2600のメインスケール
ドラム式のメインスケール

実はアナログ回路のデジタル表示

クーガ2200などの「目盛り式」直読機をBCLラジオの第2世代とすれば、プロシードを嚆矢とするデジタルカウンター搭載機は第3世代ということになるでしょう。ざっくりとはその区分で良いと思いますが、同調回路がアナログ方式かPLLシンセサイザー方式かによってさらに分けることもできます。

PLLシンセサイザー方式とは、正確無比である水晶発振器を使って同調周波数を作り出すもので、アナログ方式とくらべて高精度かつ安定度の高いチューニングが可能です。アナログ方式は「目盛り式」をデジタル表示に置き換えただけ。つまり、実際の受信周波数とカウンターに表示される周波数にはズレが生じる可能性がありました。そのため、周波数のキャリブレーション(校正)が必要になるのです。

プロシード2800/2600はアナログ方式なので、敢えて言えば「第2.5世代」のBCLラジオということになりましょう。

RF2600
精悍なデザイン

データ

  • 発売:1978年(昭和53年)
  • 定価:47,800円
  • サイズ:W342 x H237 x D116(mm)
  • 重量:3.0kg(電池含む)

管理人のつぶやき

管理人がBCLブームにハマった当初は、ブーム到来前に買った初めてのマイ・ラジオであるクーガNo.7でラジオ・オーストラリアやBBCなど比較的受信しやすい放送局の日本語放送を聴いておりました。もちろんベリカードもゲットしておりましたよ。

しかし、ドイチェ・ベレやアルゼンチン国営放送などの受信が難しいと言われる放送局をキャッチするにはクーガNo.7ではやはり力不足。ということで、自分へのクリスマスプレゼントに貯金をはたいてクーガ2200を購入!買ったのはたしか新潟市の第一家電でしたね。

憧れだったクーガ2200は感度良し、選択度良し、外部アンテナが接続できる、そしてなんといっても周波数が読める!ということで大いに気に入って充実したBCLライフを満喫しておりました。ところがある日、バンドの端っこのほうで直読精度が低下する、という決定的な弱点に気付いてしまったのです。これはバリコンの精度上仕方のないことだったのでしょうが、まるで天国から地獄。快晴だったBCLライフは曇り模様となってしまったのです。

そんな折に輝かしく登場したのがプロシード2800。「これなら周波数が狂うことはないんだ!」と狂喜し、クーガ2200から乗り換えようとしたのですが、BCL熱が少しずつ冷めかけていたことに加えて親の反対にもあってあえなく頓挫しました…

実はプロシード2800の周波数表示もアナログ回路ゆえに実際の周波数からズレることがある、というのはずっと後になって知ったこと。もし当時クーガ2200から買い替えていたら、ショックのあまり気絶していたかもしれません。

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