プリンス自動車時代に開発が進められ、日産とプリンスの合併後に発売されたため「プリンス・グロリア」から「日産グロリア」になった3代目グロリア。印象的なヘッドランプから「タテグロ」と呼ばれています。
目次
日産 グロリア(3代目/A30型)とは

プリンス自動車が開発
1959年に旧プリンス自動車の旗艦車種として初代がデビューしたグロリア。日産との合併後、2代目グロリアは「日産 プリンス・グロリア」として販売され、合併後のモデル「日産グロリア」として改めて登場したのがこの3代目グロリアです。設計自体は旧プリンス時代に行われていたため、車検証の車名欄は“プリンス”のままという個体も多く、当時の歴史をそのまま宿しています。
プリンスらしい上品で端正な車作りと、日産の量産技術とブランド力。その両方が混ざり合うという、非常にレアな時期に生まれたモデルが3代目グロリアなのです。

あまりに印象的なタテ目4灯
同じく日産とプリンス合併後に発表された御料車、「日産 プリンスロイヤル」に通じるデザインであることから、「ロイヤルルック」という呼び方もされていましたが、強烈な個性を放つタテ目の印象に引っ張られてか、いつしか「タテグロ」が愛称として定着しました。

日本車離れしたデザイン
プロポーションは“広く、低く、長い”。これがタテグロのスタイルを語る際のキーワードです。
特に後ろ姿は垂直に切り立ったテールフィンに縦型テールランプという、これまた国産では珍しいデザイン。前後バンパーは分厚いクローム仕上げで、サイドの直線基調のラインと合わせ、非常に伸びやかなシルエットを描いています。1960年代のアメリカのフルサイズセダンを彷彿とさせるデザインです。

この個体のように、ホワイトリボンタイヤやファントムトップ風の塗り分けルーフが抜群に似合うのも、タテグロの“アメ車風味”ゆえ。旧車カスタムとして今でも人気が高い理由がよく分かります。
高級車だけどワルっぽい
タテグロは端正な高級車でありながら、どこかワルっぽい雰囲気をまとっています。そのイメージ造りに一役買ったかもしれないのが、「仮面ライダー」シリーズで悪の組織・ショッカーのクルマとして登場したこと。黒塗りのグロリアがショッカーの幹部を乗せて走る姿は、子どもたちの記憶に「ワルモノのクルマ」としてインプットされたに違いありません。
さらに映画「仁義なき戦い」シリーズにも登場しており、アウトローの世界観にもよく似合う“陰のある高級車”というポジションをしっかり築いていました。
オマケ:タテ目仲間
日産 セドリックカスタム
グロリアと並んで日産の高級車2枚看板だったセドリック。初代セドリックのカスタムというモデルです。マイナーチェンジで横目4灯に変更されました。



いすゞ ベレル
イギリスのヒルマンから車づくりを学んだいすゞが初めて自力で開発したクルマ。セドリックカスタムとは逆に、後期型でタテ目になりました。




日産 ジュニア
日産のピックアップトラック、ジュニアの3代目モデルです。イラクで現地メーカーがノックダウン生産していた時期もあります。



データ
- 販売期間:1967年(昭和42年)~1971年(昭和46年)
- エンジン:直4 1,982cc 、直6 1,988cc、直6 1,998cc
- ホイールベース:2,690mm
- 全長:4,690mm
- 全幅:1,695mm
- 全高:1,445mm
- 重量:1,295kg
管理人のつぶやき
クルマのフロントマスクは、無意識のうちにヒトや動物の顔になぞらえて見ている気がしませんか?「やさしそう」とか「カワイイ」とか「ハンサム」とか、はたまた「イジワルそう」とか。
ヘッドライトはもちろん「目」にあたります。丸目のクルマがどこか親しみを感じさせるのはそのせいでしょう。
タテグロが「ワルっぽい」と感じるのは、瞳が縦方向に並んでいるという違和感に負うところが大きい気がします。ただ、丸目なので多少は救われているのかな。これが角目たて4灯になると、なかなか目としては認識し辛いものがあります。マツダ・ルーチェがそうでしたねー。
最近のクルマはLEDライトのおかげでデザインの自由度が上がったためか、凝ったデザインのヘッドライトが多くなりましたね。非常に薄目だったり極端につり上がっていたり、妙なラインを描いていたり。それらはもはや血の通ったヒトや動物の目ではなく、ロボットの「イメージセンサー」みたいに感じます。
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