アナログの指針式メーターが常識だったラジカセに、初めてLEDによるデジタルレベルメーターを搭載した画期的ラジカセ。ダウンタウン・ブギウギバンドの宇崎竜童さんを起用したインパクトのあるプロモーションも記憶に残ります。
ナショナル RQ-4050(ステレオMAC ムウ)とは

LEDレベルメーターの登場
電源などが「オンかオフか」の状態を表すインジケーターとしてランプが使われることは真空管式ラジオの時代から一般的でしたが、ランプには小型の豆電球(いわゆる「ムギ球」)が使われていました。このムギ球、内部のフィラメントが断線してしまう「球ギレ」が避けられないのが弱点でしたが、LEDの登場によってその悩みが解消しました。
一方、ラジオの同調状態やテープの録音・再生レベルのように連続して変化する値を視覚的に表すために発明されたのが、指針が揺れ動くアナログ式のメーター。コイルと磁石の作用によってゆらゆら針が動く様子はどこかエレガントで見ていて飽きないのですが、その物理的な構造ゆえに急激な信号レベルの変化についてゆけなかったり、過剰に触れたり(オーバーシュート)、また精度の面でも限界がありました。
このようなアナログ式メーターの弱点を一挙に克服したのが、複数のLEDを電子回路で制御することにより連続的な値を表現できるようにしたLEDデジタルメーターです。光る棒グラフがピロピロ伸び縮みする様子は先進性を感じさせるものでした。

自分で光れ!
「ステレオMAC ムウ」の愛称を授かったRQ-4050は、ラジカセとして初めてLEDメーターを搭載した画期的製品でした。競争の激しいニッポンの家電業界では、わずかな違いを針小棒大に宣伝して他社と差別化を図るプロモーションが盛んでしたが、ご多聞に漏れずナショナルもLEDレベルメーター搭載を大々的にアピール。ヤングに大人気だったダウンタウン・ブギウギバンドのリーダー、宇崎竜童さんをTVコマーシャルにフィーチャーする力の入れようでした。

LEDメーターで表示可能なのは4種類。録音と再生レベル、ラジオの同調、そして電池の電圧でした。残念なのは、ステレオラジカセでありながらレベルメーターはモノラルだったこと。アナログ式メーターなら当然ながら左右2チャンネルだったので、この点に関してはスペックダウンです。
初心者にやさしい入門機
ステレオMAC ムウは、価格的にもスペック的にも入門機の位置づけでした。定価はステレオラジカセとしては破格といえる4万円未満。
出力は5Wと大きめながらスピーカーは12cmフルレンジ一発。高級機のような2ウェイではありません。

トーンコントロールは高音と低音のレベルをシーソー式に変化させるタイプ。高音と低音を独立して調節することはできません。

テープセレクターが付いていないため、ノーマルテープしか使えません。また、操作系はすべて日本語表記。機能をシンプルに割り切って低コストと初心者でも戸惑うことなく使えることを狙ったのでしょう。

信頼のテープトランスポート
当時のナショナルのラジカセ MACシリーズには、「R-15メカ」と呼ばれる共通のテープトランスポートが採用されていました。これは量産効果によるコストダウンと品質の安定を狙ったもので、いかにもナショナルらしい手堅いアプローチといえましょう。


データ
- モデル名:RQ-4050(ステレオMAC ムウ)
- 発売:1978年(昭和53年)
- 定価:39,800円
- サイズ:W418 x H229 x D135mm
- 重量:4.8kg(電池含む)
カタログより



管理人のつぶやき
このサイトで紹介しているラジカセのうち、いくつかは高校時代に入っていた寮で同じ部屋の人たちが持っていたものです。寮の部屋の構造は、ひとつの部屋が3つのブロックに分かれていて、各ブロックに先輩1名と新入生2名という配置でした。なので、ひと部屋に9名が暮らしていたわけです。
で、このステレオMAC ムウは管理人のお隣のブロックの先輩が持っていたものでした。その先輩は確かアイドル歌謡ばかり聞いていたような記憶です(いい加減な記憶です)。同じブロックの先輩はソニーのステレオXYZ。こちらの先輩は洋楽専門で、管理人もかなり影響を受けましたね。
最後に、同じブロックの同級生が持ち込んでいたのがアイワのTPR-830。デザイン的にはあか抜けない感じなんですが、マニュアル録音できたり短波放送が聞けたりと、なかなかの実力機であることを認めざるをえませんでした。


